自社で取り組めるSEO対策!必要最低限の基礎知識をわかりやすく解説
現代において、SEOはビジネスの成長に欠かせない重要な戦略の一つです。Googleなどの検索エンジンの結果で上位表示されれば、より多くの潜在顧客にアプローチできるようになり、ブランド認知度の向上や競合との差別化を図れます。
SEOの施策はさまざまですが、その本質はユーザーに価値のある情報を提供することにあります。AIの進化やキーワードの検索意図の理解など、最新のトレンドも押さえつつ、まずは自社でできる対策から着手していくことが大切です。
本記事では、SEOの基本的な概念やおもな要素、実践的な対策方法について、SEO初心者の方にもわかりやすく解説します。
目次
1.SEO対策とは
SEO対策とは「検索エンジン最適化」のことで、Googleなどの検索結果で自社のWebサイトを上位に表示させるための工夫です。検索結果で上位に表示されると、以下のメリットをもたらします。
Webサイトで検索した際、1ページ目の上位に表示されることは、リアルな世界に置き換えると繁華街の中心部に大きく目立つ看板が出ているようなものです。ただし、SEOは即効性のある手法ではなく、努力を重ねて長期的に取り組むことが重要です。
参考:Google「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」
2.SEOに影響を与える9つの要素
SEOに影響を与える要素はおもに以下の9つです。
それぞれ詳しく解説します。
ドメインパワー
ドメインパワーは、サイトの信頼性や権威性を示す重要な指標です。老舗企業のサイトは、新規参入企業のサイトよりも信頼される傾向があります。これは、長年の実績や知名度が評価されるためです。
ドメインパワーを高めるには
コンテンツの質と関連性
SEOにおいて、コンテンツの質と関連性は非常に重要です。ユーザーが検索したキーワードに対して、具体的かつ有用な情報を提供する必要があります。ユーザーの悩みや問題の解決につながるコンテンツは、検索エンジンから高く評価される傾向があります。
効果的なコンテンツを制作するには
ページの構造化データ「JSON-LD」
ページの構造化データとは、検索エンジンにウェブページの内容を正確に理解してもらうため、HTMLに記載する専用のコードです。特に、製品カタログページやFAQページなどで効果を発揮します。
Googleが推奨する構造化データ「JSON-LD」を実装することで、検索結果に豊富な情報が表示され、クリック率の向上につながるでしょう。
構造化データ「「JSON-LD」」の作成方法
参考:Google「構造化データをテスト」
メタデータ(タイトルタグ、メタディスクリプション)
メタデータとは、主要なデータの内容、構造、意味を説明するための情報です。ページのタイトル、説明、キーワードなどの情報を含みます。文字数を調整しながら内容を端的に表現し、クリックしたくなる魅力的な文言を使用しましょう。重要なキーワードを含めつつ、自然な文章にする工夫も必要です。
タイトルタグ
<title> → ここにページのタイトルを入れてください ← </title>
メタディスクリプション
<meta name="description" content=" → ここにページの説明文を入れてください ← ">
ページの表示速度
ウェブページの表示速度は、ユーザー体験とSEOの両方に大きな影響を与えます。3秒以内に主要コンテンツが表示されることが理想的です。ページの表示速度を向上させれば、ユーザー満足度の向上とSEO効果の増大が期待できます。
表示速度を改善するには
モバイル対応
現在、インターネットアクセスの多くがスマートフォンから行われているため、モバイル対応は非常に重要です。スマートフォンで閲覧しても読みやすく、ボタンを押しやすいサイトデザインを心がけましょう。検索エンジンからの評価が高まり、モバイル検索での上位表示にもつながります。
モバイル対応を進めるには
内部リンク構造
効果的な内部リンク構造は、ユーザーの回遊性を高め、SEOにも良い影響を与えます。例えば、製品紹介ページに関連する技術資料ページへのリンクを張ることで、ユーザーに有用な情報をスムーズに提供できます。ユーザビリティとSEOの両面から、内部リンク構造の最適化に取り組みましょう。
内部リンク構造を最適化するには
外部リンク(バックリンク)
外部リンクは、SEO対策において非常に重要な要素です。例えば、業界ニュースサイトで自社の新製品が紹介され、そこに自社サイトへのリンクが張られると、大きな効果が期待できます。外部リンクを増やすことで、自社サイトの信頼性と権威性を高め、検索順位の向上につながります。
外部リンクを得るには
更新頻度
サイトの更新頻度も、SEOに大きな影響を与える要素です。週に1回以上のペースで、ブログや製品情報を更新することをおすすめします。定期的な更新は、サイトの鮮度を保ち、検索エンジンのクローラーを頻繁に呼び込むのに役立ちます。
効果的な更新を続けるには
3.SEO対策を効率的に始めるポイント
SEO対策を効率的に始めるには、自社のみで「対応できること」と「対応できないこと」を考えるのがポイントです。
そのうえで「対応できること」の優先順位をつけてから取り組みましょう。
それぞれ詳しく解説します。
SEOの施策 | 取り組む内容 | 自社での対応可否 | 優先度 |
---|---|---|---|
メタデータの最適化 | 適切なタイトルタグとメタディスクリプションを設定 | 可能 | 高 |
速度の改善 | ・画像の最適化 ・不要なプラグインの削除 |
可能 | 中 |
モバイル対応 | レスポンシブデザインの採用 | 可能 | 高 |
内部リンク構造の最適化 | 関連コンテンツへのリンクを適切に配置 | 可能 | 中 |
更新頻度の向上 | 定期的なブログ更新やニュース配信 | 可能 | 中 |
構造化データの実装 | 技術的な知識が必要なため、外部の専門家に相談 | 要検討 | 低 |
外部リンク獲得 | 質の高いコンテンツ制作を続け、自然に獲得を目指す | 難しい | 低 |
自社でコントロールできない要素について
Googleなどの検索エンジンは、常にアルゴリズムを更新しています。そのため、突然の順位変動が起こる可能性もあります。最新の取り組みを把握し、柔軟に対応する姿勢が重要です。
また、同業他社も同様にSEO対策を行っています。自社の順位が下がらないよう、現状分析を定期的に行い、差別化ポイントを見出すことも大切です。
これらの要素は自社では完全にコントロールできませんが、常に最新情報をキャッチアップし、迅速に対応することで、SEO対策を効果的に進められます。競合他社の動向も注視しながら、自社の強みが活かされた戦略を立てましょう。
まずは自社でできるSEO対策から
SEO対策を効果的に進めるためには、まず自社で実施可能な施策から始めることが重要です。各項目について、社内での対応可否と優先度を明確にしましょう。
自社で対応できる施策から始めることで、コストを抑えつつ、社内のSEOに関する知識や経験を蓄積できます。この経験は、将来的により高度なSEO戦略を展開する際にも役立ちます。
次の章では、優先的に始めるべき施策を詳しく紹介していますので、焦らず着実に長期的な視点でSEO対策に取り組んでいきましょう。
4.SEO対策は「メタデータの最適化」・「モバイル対応」から優先的に始めよう
自社のみで対応でき、効果も比較的出やすいSEO施策は以下の2つです。
それぞれの取り組み方を理解し、優先的に始めましょう。
メタデータの最適化
先述したとおり、メタデータには主に「タイトルタグ」と「メタディスクリプション」の2つがあります。 これらは、Googleの検索結果ページに表示される、Webサイトの「顔」のような役割を果たします。ユーザーの目を引くキーワードや特徴を効果的に盛り込むことで、クリックされやすくなるでしょう。
クリック率の改善
魅力的なメタデータは、ユーザーのクリック率(CTR)を高める効果が期待できます。クリック率が向上すると、 Google はそのページがユーザーにとって有益なコンテンツだと判断するため、検索順位が上がる可能性も高くなります。 つまり、メタデータの最適化は、直接的にユーザーの行動に影響を与えるだけではなく、 SEO にも間接的に良い効果をもたらす重要な要素です。
SEO効果の即時性
メタデータの変更は、ほかのSEO対策に比べて簡単で、効果も出やすいメリットがあります。たとえば、タイトルタグを変更するだけでも、クリック率を向上させることが可能です。Webサイトの構造やコンテンツに大きな影響を与えるため、継続的にメタデータの最適化を行うことで、SEO効果を徐々に高められます。
モバイル対応
スマートフォンの普及に伴い、モバイル対応はいまやSEOの必須条件となっています。Googleなどの検索エンジンは、ユーザーエクスペリエンスを最優先事項としており、モバイルに最適化されたWebサイトを検索結果の上位に表示する傾向があるためです。
Googleのモバイルファーストインデックス
Googleは「モバイルファーストインデックス」の仕組みを採用し、モバイル対応の重要性を強調しています。スマートフォン版のサイトを基準に、Webサイトの評価を行うというものです。つまり、パソコン版のサイトはきれいでも、スマートフォン版が使いにくければ、検索順位が下がるおそれがあります。そのため、Webサイトの設計や更新を行う際は、常にモバイル版を優先して考えることが大切です。スマートフォンで快適に閲覧できるサイトづくりが、SEO対策の基本といえるでしょう。
※参考:Google検索セントラル - モバイルファースト インデックス
ユーザーエクスペリエンスの向上
多くのユーザーは、スマートフォンでWebサイトを閲覧しています。特に、初期の情報収集段階ではスマートフォンを使用することが多いでしょう。もし自社のサイトがスマートフォンで見にくければ、せっかくユーザーが訪れても、すぐに離れてしまいます。ユーザーの離脱を防ぐためには、以下のポイントを意識したサイト設計により、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが重要です。
これらの対応により、ユーザーが快適にサイトを閲覧できるようになります。その結果、直帰率が下がり、滞在時間が長くなることで、SEOにもプラスの影響を与えます。ユーザーにとって使いやすいサイトは、検索エンジンにとっても評価の高いサイトとなるのです。
まとめ
SEOは、検索結果上位表示で潜在顧客にアプローチできる有効手法です。この記事では、これから自社でSEO対策を始める担当者の方向けに、優先順位の高い施策を紹介しました。
SEO対策には即効性はありませんが、継続的な改善と価値のある情報提供によって成功へとつなげられます。技術的な最適化だけではなく、ユーザーファーストでサイト全体の質を高める意識を持って取り組みましょう。